上腕二頭筋長頭腱炎

アクティブ富塚

2022年06月03日 16:56

上腕二頭筋長頭は上腕骨(腕の骨)の結節間溝と横上靭帯からなるトンネルを通ります。野球の投球動作、テニスのサーブ、バレーのアタックなどオーバーハンドスポーツをされるアスリート、トレーニング好きの方、重労働をされる方に多く見られます。上腕二頭筋は腕を挙げたり肘を曲げたりするときに使います。その際にかかる、腱とトンネルでの摩擦により、炎症を引き起こします。そのため、腕を挙げようとしたり荷物を持ち上げようと力を入れた際に痛みが出たりします。慢性化したり腱の断裂を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

検査法で痛みの誘発がある場合、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。

ヤーガソンテスト
術者は患者様の肘を90度曲げさせ、手の内向きに捻らせる。患者は術者の内向きへの力に対抗して手を外向きに返す。この時肩関節の前面に痛みが生じた場合、上腕二頭筋長頭腱炎が陽性となります。


スピードテスト
患者様の掌を上に向けて、肘を伸ばしていただき、そのまま上にあげていきます。術者は患者の手をつかみ、下向きに抵抗をかけます。肩関節の前面に痛みが生じた場合、陽性となります。

早期回復には超音波や電気療法を行い、炎症を抑え組織の回復を図ることが可能です。また、手技療法を行い上腕二頭筋をはじめ肩回りの筋肉を緩め、幹部にかかるストレスを減らすことも大切です。その後、運動療法を行い、復帰や再発予防のための強化を行います。上記の治療を4-6か月行って症状が改善しない場合は、病院の受診をお勧めします。手術の適応となることがあるため。

手術の種類には
1.直接長頭腱を固定したり
2.烏口突起と呼ばれる個所へ腱の走行を変える
3.運動器カテーテル治療(病的新生血管に直接アプローチ)というものがあるようです。

肩甲骨の動きや姿勢も関係していることがあるので肩の部位にとらわれすぎないようにしましょう。

次回は肩周りのインナーマッスルについて

関連記事